侍ジャパンの大西崇之コーチ、抜かりない準備と責任感でチームを支える【#好球筆打】
侍ジャパンの大西崇之コーチが、ソフトバンクで抜かりない準備と強い責任感でチームを支えている。

1 軍首脳陣で唯一の新任 ソフトバンク大西崇之コーチの抜かりない準備 三塁ベースコーチ担う強い責任感にじむ【#好球筆打】
初戦、2 戦目は試合終盤に試合をひっくり返しての逆転勝ち。そしてこの日は一時逆転を許しながらも、8 回に同点として引き分けに持ち込んだ。この粘り、地力には「2025 年型」のチーム作りを進める小久保監督も手応えを感じ取っているのではなかろうか。
しかも、開幕カードで対戦するロッテを相手に今 3 連戦は 2 勝 1 分けと負けなかった。周東が守備中に交錯して倒れ込んだ時はヒヤリとしたが、大事には至ってないもようで、こちらも一安心といったところだろう。
さて、オープン戦といえば選手の結果ばかりに目が行きがちだが、首脳陣の〝調整〟からも目が離せない。ソフトバンクでいえば、1 軍首脳陣で唯一の新任・大西崇之外野守備走塁兼作戦コーチだ。今年は大事な三塁ベースコーチを任されるとあって他の首脳陣以上にその動きを注視しているのだが、試合前練習中の動きで気付いたことがある。
それは打撃練習中に必ず三塁コーチャーズボックスに立ち、選手の打球の質、あるいは走塁練習を行う選手の走力、打球判断などを事細かにチェックしている点だ。そして、気付いたことがあればその場で意見を交換。時には両手を素早く動かしてブロックサインを出す練習も行うなど、とにかく準備に抜かりない。
瞬時の判断がチームの勝敗を左右するポジションだけに、選手情報のアップデートは欠かせないということだろう。巨人、中日、そして小久保監督率いる侍ジャパンの時もその要職を務めた大西コーチにとって、ソフトバンクは長く身を置くプロ野球人生で初めて在籍する球団だからこそ、当然の姿なのかもしれない。
そんな日々の努力を怠らない大西コーチがこの日のウオーミングアップ前、野村の走力の高さについて語って来た。簡単に説明すると 8 日の試合で、二塁走者として 1 本の安打で本塁を狙った野村に対し、自身の本塁突入指示が遅れながらも得点に結び付けた走塁に対する驚きの声だった。
「相手守備の捕球体勢を見ていたからこちらの指示が遅れたんだけど、それでも(本塁に)帰ってくれた。あの走塁は本当に見事。ただ(同じ事は繰り返せないので)決めごともしっかり作っておきました」詳細までは書けないが、連携がうまくかみ合わなかった場合の約束事を確認したという。それはチームに共有されるのだろう。パ・リーグ本拠地で戦うオープン戦は今回の千葉 3 連戦が最初で最後と開幕後を見据えると気の毒だが、その中でも確かな収穫を持って福岡へ帰る。もしかしたらそれは、今 3 連戦で得た最大の収穫なのかもしれない。