【新人記者カメ日記・トレセン縦〝桜〟無尽】番外編 馬産地巡り・後編
今回は番外編として、馬産地巡りの後編をお届けします。千代田牧場では、ウオッカの血を残す使命があり、その孫たちに注目していきたいと思います。また、新種牡馬ソットサスの展示会にも足を運び、そのオーラに圧倒されました。

千代田牧場の坂路コース
3 月 13 日、千代田牧場(撮影・吉田桜至郎) 3 回にわたりお届けしてきた馬産地巡りも、今回の後編で最後。『丸ごと POG』取材が中盤に差し掛かった 3 日目のエピソードをお届けします。
この日は早朝から千代田牧場へ。今でも「好きな馬は?」と聞かれたら「ウオッカです!」と即答する私。同牧場にはウオッカの直子タニノミッションとタニノアーバンシーが繁殖牝馬として繋養されているので、思い入れがあります。実際にタニノアーバンシー の 4 番子となる父コントレイル の 2 歳牝馬も見させてもらいましたが、品のある雰囲気が祖母譲りだと感じました。飯田正剛代表の「ここ(千代田牧場)から(ウオッカ の)血を残さなければいけない使命がある」という強い言葉が印象に残っており、今後もウオッカ の孫たちに注目していきたいと思いました。
取材後は今年デビューを目指す 2 歳馬が日々鍛錬を積んでいる坂路コース の中へ特別に入らせてもらうことに。一般的な育成牧場の坂路コース の横幅はだいたい 2、3 頭程度で併せ馬を行うくらいの幅しかありませんが、千代田牧場では 5、6 頭近くで併せ馬ができる横幅があり、ひと言でとにかく「広い」という印象でした。気になる馬場は当日乾いていたこともあってジョッキー目線で言う「タフ」という言葉がぴったり。少し小走りしただけでも疲れるくらい力を要す馬場でした(笑)。この坂路からウシュバテソーロやサークルオブライフなど多くの GⅠウイナーが誕生したことを考えるととても感慨深く、この坂路で武器を磨いていったのだろうなと思いました。
新種牡馬ソットサス
千代田牧場での取材を終え、ちょうど開催されていた新種牡馬ソットサス の展示会に足を運びました。同馬が繋養されている JBBA 日本軽種馬協会静内種馬場に到着すると、黄金色に輝く栗毛のサラブレッドが歩いている姿が…。「あれは、もしかして?」と思い、遊佐繁基場長に尋ねると「はい、ソットサス ですよ」と教えてくれました。もちろん、人生で初めて生で凱旋門賞馬を見たので感激し、発するオーラに圧倒されてしまいました。近年、日本に導入された凱旋門賞馬はワークフォースなどがいますが、同種馬場に導入されたのは 2004 年 V のバゴ以来のことです。全弟のシンエンペラーが日本の芝に対応して大活躍していることで、兄への期待感も高まる一方。初年度ながら種付け頭数は 100 頭を超える見込みだそうで、無事にいけば産駒が日本デビューする 2028 年が待ち遠しいです。