西武のドラフト2位ルーキー・渡部聖弥外野手（22）に、エース・今井達也投手（27）のメソッドが注入されている。開幕から31試合に出場し、打率3割1分2厘でパ・リーグのリーディング争いで2位をキープしている。

しかし、5月の15試合では8戦で無安打と、3、4月の好調から一転して不振に陥っている。この不振に対し、渡部は「相手というより自分の状態が良くない。良くないからこそ、何をしたらいいんだろうとワクワクしている」とポジティブに捉えている。

18日のオリックス戦では、4打数2安打と奮闘し、チーム唯一の得点となる先制2号ソロを放つなど、不振の中でも光るプレーを見せた。試合前の打撃練習では「体がボールに全然入っていけない」と苦戦していたが、練習を重ねるうちに「ボールの見え方がちょっと変わってきた」と手応えを感じていた。

この前向きな姿勢は、17日のオリックス戦中にヘッドコーチの鳥越さんから聞いた今井達也投手の言葉に影響を受けたものだ。今井は「投球がうまくいかない時、逆にうまくいかないから面白い」と言っていたという。渡部は「野球はうまくいくことばかりじゃない。うまくいかない時こそ面白いと思えるように」と語り、不振を楽しむ姿勢を身につけた。

渡部は「打てない時は、絶対にまた来る。その時に何が悪かったか原因を突きとめて、どうやって直すかを考えている」と、自らの課題に向き合い、引き出しを増やすために全力で努力を続けている。