ヤクルトが創価大・立石正広をドラフト1位候補に ポスト山田・村上を担う右の大砲
ヤクルトが創価大・立石正広をドラフト1位候補に挙げ、ポスト山田・村上を担う右の大砲として期待を寄せている。

ヤクルトが創価大・立石正広内野手(4年)をドラフト1位候補に挙げていることが16日、明らかになった。立石は今春5本塁打を量産し、東京新大学リーグ通算14発を誇るなど、大学球界No.1打者としての評価が高い。今秋のドラフトで目玉となる存在だ。
立石は1メートル80、86キロの恵まれた体格を持ち、広角に長打を打てる右の長距離砲として知られている。昨夏には3年生ながら大学日本代表で4番を務め、その実力を発揮した。小川淳司GMも今春のリーグ開幕戦を視察した際に「対応力とパワーが凄い」と絶賛している。
主に三塁を守る立石は、プロ入りを見据えて二塁や遊撃にも挑戦している。15日に閉幕した全日本大学選手権では初戦で敗退し、内野安打1本に終わったものの、その評価が揺らぐことはない。
ヤクルトが立石に熱視線を送る背景には、チーム事情も絡んでいる。近年は投手力強化を優先し、高校生、大学生、社会人を問わずドラフト1位で投手を獲得してきた。分離ドラフトが統合された08年以降、1位で入団した野手は10年・山田哲人(履正社)、11年・川上竜平(光星学院)、17年・村上宗隆(九州学院)の3人しかいない。
山田と村上は期待通りの活躍を見せたが、山田は近年思うような成績を残せず、22年3冠王で現在故障離脱中の村上は今オフにメジャー挑戦する意思を表明している。球団幹部は「山田、村上のように中軸を打てる野手が必要なのは誰が見ても明らか。立石選手はもちろん魅力的な存在」と説明する。
まだまだ投手力を底上げする必要がある一方、野手の発掘・育成は喫緊の課題となっている。今年のドラフトでは近年の「1位=投手」という方針を転換する可能性が十分にある。
◆立石 正広(たていし・まさひろ) 2003年(平15)11月1日生まれ、山口県出身の21歳。小1から野球を始め、高川学園中では高川学園リトルシニアに所属。高川学園(山口)では3年夏に甲子園出場。高校通算10本塁打。母・郁代さん(旧姓・苗村)はバレーボール選手としてバルセロナ五輪出場。1メートル80、86キロ。右投げ右打ち。