ラグビー稲垣啓太、戦列復帰でチームに新たな活力
ラグビー・リーグワン 1 部の埼玉が、第 15 節三重戦に向けて調整中。プロップの稲垣啓太が 8 試合ぶりに戦列復帰し、チームに新たな活力を与えている。

ラグビー・リーグワン 1 部でレギュラーシーズン 2 位の埼玉は 9 日、第 15 節・三重戦(11 日、秩父宮ラグビー場)の試合登録メンバーを発表。プロップ稲垣啓太が、第 7 節の BL 東京戦(2 月 9 日、28―28)以来、8 試合ぶりに戦列復帰した。
この日、熊谷市内での練習後、取材に応じ「7 週空きましたね。ちゃんと、準備はしてきたつもり。やることも、しっかりやってきた」と淡々と語った。詳細は伏せつつ、BL 東京戦後にコンディション不良に。「自分に必要な治療とトレーニング、栄養とバランスをしっかりと取って。結果的にケガをして戦列を離れたけど、それまでの準備が間違っていたとは思わないので。どれだけ回復を早められるか、そこを相談しながらうまくやれた。トレーナーの人たちには感謝したい」と稲垣。5 日には、トヨタとの強化試合にも出場。「状態は、悪くないと思う」と、頼もしい存在がカムバックした。
自身が不在の間、チームは 3 月(11、12 節)に静岡、BL 東京相手に 2 連敗。「(自分)1 人が出たところで変わらない」としつつ「2 敗した瞬間をスタンドで見ていたけど、気持ちのいいものではなかった。フィールドに出ていなかったとしても、チームへの責任は感じた」と明かした。埼玉はすでに上位 6 チームによるプレーオフ進出は決めているが、準決勝から戦える 1、2 位争いもし烈。シーズン終盤の精神的支柱は「1 試合 1 試合をしっかり勝って、最終的にその順位で PO を戦って勝てばいい。全部戦って、全部勝てばいい」と表情を変えない。
この 2 か月間、新たな経験も。埼玉では今季、試合出場メンバーを「ヘッド(頭)」、ノンメンバーを「ハート(心)」と呼ぶ中、稲垣は 2013 年に入団後初めてと言う「ハート」側に入った。出場機会をつかもうと練習する選手らと汗を流し「色々と教えてもらった」。今春、大東大を卒業したプロップ、リサラ・フィナウを例に挙げ「自分から聞いて来る人間は、『違うな』と感じるものがある。リサラはよく、聞いてきますよ。すごくいい選手だと思う。彼から学ぶことも多いし、この年になって、すごく勉強させてもらっているなと思う」。フィナウは 13 節の浦安(54〇26)から連続出場。トヨタ戦ではトライも奪った。
レギュラーシーズンは残す 4 節。1 位 BL 東京を勝ち点 1 差で追うが、3 位東京ベイも同じく 2 差につける。チームが目指すは 3 季ぶり V 奪還だ。稲垣は「今週はショートウィークだが、全く言い訳にはならないとチームに説いてきて、今日もいい練習ができた。ただ練習で出来ても試合で出来ないと意味がないので。個人的にも、しっかりとやっていきたい」と、一戦必勝を誓った。