角田裕毅の不屈の精神:深夜の修復作業が実を結んだF1エミリア・ロマーニャGP
角田裕毅がF1エミリア・ロマーニャGPで深夜の修復作業を経て10位入賞を果たした。チームの努力と角田の不屈の精神が光るレースの詳細。

2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGPでは、角田裕毅(レッドブル)が予選Q1でクラッシュするというアクシデントに見舞われた。しかし、レッドブルとホンダ・レーシング(HRC)のスタッフたちは深夜まで修復作業を続け、角田のマシンを無事にレースに参加させた。
通常、予選後にマシンは『パルクフェルメ状態』となり、セットアップの変更ができない。さらに、マシンにカバーがかけられ、物理的にも作業ができなくなる。しかし、角田のマシンは大破したため、修復作業が優先され、深夜0時過ぎまで作業が続いた。
日曜日の朝、マシンにかけられたカバーが解除されると、レッドブルのスタッフたちは早めにサーキット入りし、最終調整を行った。レコノサンスラップでは、HRCのスタッフたちがエンジンの状態をテレメトリーで確認し、気になる点が見つかったため、ピットインしてデータをチューニングした後にもう1周走らせて確認した。
レースでは、角田は予選でのクラッシュを払拭すべく、ミスのない走りを披露。バーチャルセーフティカー(VSC)にも助けられ、入賞争いするまでにポジションを上げた。54周目に再開された後、ピラテラでニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)を抜いて10番手に浮上することに成功した。
レース終盤、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)と1秒以内のデッドヒートを繰り広げるも、10番手のポジションを死守。マイアミGPに続いて2戦連続のポイントを獲得した。
角田はレース後に「メカニックたちが夜遅くまで作業してくれたおかげで、今日のレースをスタートすることができました。その努力に対して、少しでも何かお返ししたかったので、ポイントを獲得できたことはよかったです」と語った。
ミスを犯した事実は消せないが、そのミスから何を学び、どう生きるかによって、そのミスが価値のあるものになる。角田とチームの努力が実を結んだレースだった。