小川諒也のJリーグ復帰戦:前半の輝きと後半の課題
小川諒也が鹿島アントラーズでの初フル出場を果たし、前半の活躍と後半の課題を振り返る。

小川諒也の初フル出場
2025年7月5日、J1リーグ第23節で鹿島アントラーズの小川諒也が初めてフル出場を果たしました。ベルギー1部シント=トロイデンから6月に加入した元日本代表DFは、川崎フロンターレ戦で先制点を挙げるも、逆転負けを喫しました。小川は「もっと自分自身できたと思いますし、チームとして悔しい結果に終わってしまった」と反省の言葉を口にしました。
前半の活躍
前半は小川の活躍が目立ちました。相手が前から来ていなかったため、高い位置を取ることに成功し、ビルドアップではハーフェーライン付近に位置取り、左サイドの主導権を握りました。前半25分の先制点も小川が高い位置を取ったことで、左センターバックのキムテヒョンが左サイドの空いたスペースまで持ち出し、対角線へフィード。これに抜け出したMF松村優太が中へ折り返し、最後はFWレオセアラが押し込みました。
ベルギーでの進化
ベルギーで進化した姿も見せました。前半37分、右サイドでMF知念慶がボールを奪うと、高い軌道のふんわりとしたクロスを送りました。このボールに逆サイドから飛び込み、高い打点で頭で合わせると、シュートはゴール方向へ。しかし、惜しくもバーに嫌われ、加入後初ゴールはなりませんでした。小川は「シントではウィングバックだったので、逆サイドでクロスが上がる時には中に入っていくことが多かったんです。今は4バックですけど、タイミング見て上がっていいよと言われていたので、競り合いに自信もあるんで狙いに行ったんですけど…。いやぁ、やっぱり決めたかったですね」と悔しがりました。
後半の課題
後半は川崎のペースに押され、13分には小川の背後のスペースをFW家長昭博に使われ、逆転ゴールを許しました。小川自身も後半はミスが目立ちました。昨季ベルギーでは主力として公式戦35試合に出場しましたが、約3週間のオフを挟んで鹿島に加入したため、コンディションは「まだ6割ぐらい」というのが現状です。体力的に高い位置を取る回数が減ったことで、チームも押し込まれました。
ワールドカップへの展望
小川は来年の北中米ワールドカップを見据えています。「これまで(W杯予選では)攻めている時間が長かったので、守備的な選手は選択肢に入ってこなかったと思います。でもW杯では守備の時間が増えると思うので、守備的なサイドバック、ウィングバックが必要になってくる。その時に自分の名前が挙がるように、まずはコンディションを上げなきゃいけない。鹿島で優勝して結果を出していけば、まだ可能性はあると思っています」と語りました。
今後の期待
小川諒也の逆転でのW杯メンバー入りを期待しつつ、鹿島と共に自身も復調していくことが求められています。