【高校野球】佐賀大会で見た奇跡のプレー:呉昇勲の神走塁が決勝点を呼ぶ
2025年夏の佐賀大会で、鳥栖工の呉昇勲が見せた奇跡の走塁が決勝点を呼び込む。プロ野球でも稀なプレーに注目。

2025年7月16日、夏の佐賀大会準々決勝で鳥栖工対鳥栖の一戦が行われた。試合は9回を終え、2-2の同点で延長戦に突入。延長10回タイブレークで、先攻の鳥栖は1死二、三塁とチャンスを広げた。
6番打者が空振り三振を喫した瞬間、三塁走者の呉昇勲外野手(3年)が奇策に出る。相手捕手が一塁へ送球したと同時に、呉は勢いよくスタートを切り、ホームへ頭から突っ込んだ。本塁クロスプレーの判定はセーフ。間一髪で決勝点をもぎ取った。
試合後、呉は「イチかバチか、でした。これでアウトなら仕方ないと思って」と語った。さらに「練習ではやっていないです。とっさにです。あのケースは本当に初めて」と驚きのプレーを明かした。
相手先発の松延響投手(3年)は最速147キロを誇るプロ注目のエース。7回までに残塁は7を数え、要所でギアを上げる右腕を前に、決定打を欠いていた。呉は「松延投手もいいピッチャー。これでしか点は取れないと思ったので。腹をくくって、いきました」とギャンブル走塁の真意を語った。
振り逃げ間に、三塁走者のホーム生還をこれまでに見たことがなかった。相当な覚悟、度胸のいるプレーに個人的には見えた。記者はデスクに報告したが、素っ気ない反応に肩を落とした。プレーはすごくても、記者の報告が拙いと紙面上は大きく扱ってもらえないことがほとんど。記者自身は反省を繰り返す真夏となっている…。