ソフトバンク正木智也、開幕戦安打で 2 年前の悪夢を振り切る

ソフトバンクの正木智也外野手が、開幕から 5 試合連続安打と好スタートを切った。2 年前の悪夢を振り切る好発進の裏には、開幕戦最終打席での今季初安打がもたらしていた大きな安心感があった。

ソフトバンク正木智也、開幕戦安打で 2 年前の悪夢を振り切る

ソフトバンクの正木智也外野手(25)が、開幕から 5 試合連続安打と好スタートを切った。右脇腹痛で離脱した栗原陵矢の代役として、開幕からクリーンアップの一角である 5 番を託された。同じく 5 番で開幕を迎え、わずか 1 試合で剝奪された 2 年前の悪夢を振り切る好発進。その裏には、開幕戦最終打席での「どこにいったか分からなかった」という今季初安打がもたらしていた大きな安心感があった。

開幕戦でフェン直〝背面〟キャッチ…手負いの近藤健介が見せた執念【写真】

2 日の日本ハム戦(エスコンフィールド北海道)。正木は 2 回無死の第 1 打席で左前打を放ち、最低限の〝ノルマ〟はクリアした。「最低というか、まずは一日一善を継続していきたい。打てない日もあるとは思うけど、そこは切り替えて一日一善」。ヒットは何よりの「一善」となる。

「一善」の難しさは、誰よりもかみしめている。プロ 2 年目の 2023 年シーズン。首脳陣の大きな期待を受け、開幕を 5 番で迎えた。1 番から牧原大成、近藤健介、柳田悠岐、栗原陵矢と続く強力打線。開幕戦は 3 打数無安打(2 三振)に倒れると、次戦は 7 番に降格。5 戦目にはスタメンを外れ、18 打席連続無安打で 2 軍降格を告げられた。ファームでは当時の小久保裕紀 2 軍監督と打撃を見つめ直し、再昇格後、6 月に 20 打席目でようやく初安打。これがシーズン唯一のヒットとなった。

「2 年前とは同じことは絶対に起こさないと決めていた。絶対にそうならないようにと思って過ごしてきました」

昨季、自己最多の 80 試合に出場。打率 2 割 7 分、7 本塁打、29 打点と飛躍へのきっかけをつかんだ。しかし、開幕 1 軍は約束されたものではなかった。オープン戦中盤にかけて結果を残し、栗原の離脱後は主に 5 番で起用された。ただ、仕上げのラスト 3 試合は無安打で打率 1 割 9 分 2 厘まで落とした。小久保監督は「正木もあの数字でレギュラーはない。5 番でチャレンジしたけど、この打順は撤回します。もう一回考えます」と評価を落とした。

開幕前日練習、小久保監督から開幕の 5 番起用を伝えられた。「うれしかったです。オープン戦では結果が出ていなかったけど、何とか期待に応えたいという思いになった」。2 年前と同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかないとあらためて誓った。

迎えた開幕戦。3 打席目まで凡退。「ヒットがどうしてもほしくて、手で打ちにいってしまっていた」。7 点ビハインドと体勢が決した 8 回 1 死一塁。「あの打席は振り切ろうと決めて入った」。小野郁の初球を振り抜いた。「思ったよりシュートして食い込んできた。打つべきじゃない球に手を出してしまった。打ったとき、どこにいったか分からなかった」。後悔とは裏腹に白球はフラフラと逆方向に上がり、右翼線にポトリと落ちた。「めちゃくちゃでかかったですよ。開幕戦 4 タコ(4 打数無安打)と 4 の 1(4 打数 1 安打)では気持ちも全然違う。打ったボールは悪かったけど、振り切れた分、あそこにいったのかな」と強調した。決してきれいなヒットとは言えなかったが、「H」ランプが何よりの精神安定剤となったのは間違いない。

2 年前には 2 カ月強を要した初安打への道のりを 1 日で乗り切った。2 戦目にも安打を放ち、3 戦目には初本塁打も飛び出した。「だいぶ落ち着いて入れるようになった。打てない時期も来ると思うけど、そのときに向けた貯金を今のうちにつくっておきたい。(5 番も)あまり気にしていないし、ただの 5 番目のバッターです。自分のやるべきことを打席でやっていくだけ」。成長した 5 番目の打者は「一日一善」を続けていく。(小畑大悟)

次に読むべきもの

ソフトバンクの逆襲を阻む西武の鉄壁投手陣
プロ野球

ソフトバンクの逆襲を阻む西武の鉄壁投手陣

ソフトバンクが西武の強力投手陣に阻まれ、連勝が止まった試合の詳細と今後の展望を分析。

【セ・リーグ】阪神8連勝で首位独走!広島と巨人の激闘、中日は借金拡大
プロ野球

【セ・リーグ】阪神8連勝で首位独走!広島と巨人の激闘、中日は借金拡大

阪神が8連勝で首位を独走中。広島と巨人の激闘、中日の借金拡大など、セ・リーグの最新戦況を詳しく解説。

プロ野球・近藤健介、通算100号を豪快グランドスラムで達成!
プロ野球

プロ野球・近藤健介、通算100号を豪快グランドスラムで達成!

ソフトバンクの近藤健介選手が通算100号ホームランをグランドスラムで達成。プロ14年目の記念すべき一打を振り返る。

2025年7月8日プロ野球試合予定:注目の先発投手と試合カード
プロ野球

2025年7月8日プロ野球試合予定:注目の先発投手と試合カード

2025年7月8日のプロ野球試合カードと先発投手情報を詳しく紹介。セ・リーグとパ・リーグの注目試合をチェック!

【プロ野球】石川昂弥の逆襲に期待!復帰後の課題と首脳陣の期待
プロ野球

【プロ野球】石川昂弥の逆襲に期待!復帰後の課題と首脳陣の期待

中日ドラゴンズの石川昂弥選手が一軍復帰後も無安打が続く中、首脳陣は彼の逆襲に期待を寄せています。

ソフトバンク・柳町達の打撃好調の秘密:黄色バットの効果とは
プロ野球

ソフトバンク・柳町達の打撃好調の秘密:黄色バットの効果とは

ソフトバンクの柳町達が好調をキープする秘密は、黄色のクリケット型バットにあり。その効果と練習方法を詳しく解説。

ロッテ・種市篤暉、7回途中2失点の力投も打線の援護なく4敗目…岩本勉氏が指摘するストレス要因とは?
プロ野球

ロッテ・種市篤暉、7回途中2失点の力投も打線の援護なく4敗目…岩本勉氏が指摘するストレス要因とは?

ロッテの種市篤暉が7回途中2失点の力投を見せるも、打線の援護なく4敗目を喫した。岩本勉氏が種市のストレス要因を指摘。

藤川阪神の快進撃:大山悠輔の復調が鍵!猛虎の覇権奪回への期待
プロ野球

藤川阪神の快進撃:大山悠輔の復調が鍵!猛虎の覇権奪回への期待

藤川阪神の快進撃が続く中、大山悠輔の復調がチームの覇権奪回への鍵となっている。猛虎の勢いと今後の展望を解説。

ソフトバンク育成左腕・大城真乃が復調の兆し!スライダー修正で快投を披露
プロ野球

ソフトバンク育成左腕・大城真乃が復調の兆し!スライダー修正で快投を披露

ソフトバンクの育成5年目左腕、大城真乃投手がスライダー修正を経て復調の兆しを見せ、ウエスタン・リーグで快投を披露。

新庄ハムの投手王国がプロ野球界を席巻!圧倒的な完投数と防御率で他球団を凌駕
プロ野球

新庄ハムの投手王国がプロ野球界を席巻!圧倒的な完投数と防御率で他球団を凌駕

新庄ハムの投手陣が今季、圧倒的な完投数と防御率で他球団を凌駕。若手投手たちの活躍が目立ち、沢村賞投手やネクストメジャー候補が続々と登場。

巨人・戸郷翔征、復調の兆しを見せるも初白星ならず!佐伯氏が評価
プロ野球

巨人・戸郷翔征、復調の兆しを見せるも初白星ならず!佐伯氏が評価

巨人の戸郷翔征が今季6試合目の登板で4回3失点で降板。佐伯貴弘氏が復調の兆しを指摘。

【セ・リーグ順位表】阪神が首位対決で圧勝!ヤクルトが連敗をストップ、巨人は延長戦でサヨナラ負け
プロ野球

【セ・リーグ順位表】阪神が首位対決で圧勝!ヤクルトが連敗をストップ、巨人は延長戦でサヨナラ負け

プロ野球セ・リーグの最新順位表と試合結果を紹介。阪神が首位対決で勝利、ヤクルトが連敗を止め、巨人は延長戦でサヨナラ負けを喫しました。

西武・炭谷銀仁朗が山川穂高を完封!バッテリーの戦略が勝利の鍵に
プロ野球

西武・炭谷銀仁朗が山川穂高を完封!バッテリーの戦略が勝利の鍵に

西武の炭谷銀仁朗捕手が山川穂高を完封し、チームの勝利に貢献。バッテリーの巧みな戦略が光る試合となった。

広島カープが3連勝!中村奨成の決勝2ランで逆転勝利
プロ野球

広島カープが3連勝!中村奨成の決勝2ランで逆転勝利

広島カープが中村奨成の決勝2ランで逆転勝利を収め、3連勝を達成。若手選手の活躍がチームに良い影響を与えています。

プロ野球の軌跡:狩野恵輔氏の挑戦と苦闘
プロ野球

プロ野球の軌跡:狩野恵輔氏の挑戦と苦闘

元阪神捕手・狩野恵輔氏のプロ野球キャリアを振り返り、その挑戦と苦闘を詳細に紹介。春季キャンプでの決意と2007年シーズンの活躍に焦点を当てる。

Load More

We use essential cookies to make our site work. With your consent, we may also use non-essential cookies to improve user experience and analyze website traffic. By clicking "Accept," you agree to our website's cookie use as described in our Cookie Policy.