プロ野球審判から住職に転身した佐々木昌信さんが語る、巨人のミレニアムV

佐々木昌信さんが、プロ野球審判から住職への転身を経験し、巨人のミレニアムVを回想します。

プロ野球審判から住職に転身した佐々木昌信さんが語る、巨人のミレニアムV

佐々木昌信さんは、1969 年 8 月 6 日生まれ、群馬県出身です。大谷大学文学部真宗学科を卒業し、外野手として 3 年秋に京滋大学リーグでベストナインに選出されました。1992 年にセ・リーグ審判となり、95 年に 1 軍デビューし、29 年間で通算 2414 試合に出場しました。球宴に 4 回、日本シリーズに 6 回出場しました。2017 年に第 4 回 WBC に日本代表として出場し、2020 年に引退し、同年 11 月から実家である真宗大谷派覚応寺の第 18 世住職を務めています。

佐々木さんは、プロ野球審判として 29 年間のキャリアを積んだ後、現在は群馬県館林市の覚応寺住職に転身しています。審判としての経験を通じて、常に冷静さを求められるプロ野球の審判業の難しさと、劇的過ぎる試合展開による興奮と緊張を体感してきました。

佐々木さんが出場した 2414 試合の中で最も球場が沸いたと感じた一戦は、2000 年 9 月 24 日の東京ドームでの巨人-中日戦でした。この試合で、巨人は江藤智選手の同点満塁弾と二岡智宏選手のサヨナラ弾で優勝を決め、ミレニアムVとして語り継がれています。

佐々木さんは、この試合で一塁塁審を務めていました。優勝マジック1で迎えた試合で巨人は 0-4 と劣勢に立たされていましたが、土壇場の九回に大逆襲が始まりました。一死満塁と塁を埋めた場面で、江藤選手がギャラード投手の直球を左翼席へ放り込み、同点満塁弾を放ちました。

佐々木さんは、この時の興奮を振り返り、「球場が沸いて、ドームなんで雰囲気がすごいんですよ。心臓がキューッとなりましたね」と語っています。そして、巨人の勢いは止まらず、間髪入れずに次打者の二岡選手は、佐々木さんの責任区分である右翼に劇的過ぎるサヨナラ弾を突き刺しました。

佐々木さんは、この時の自分の興奮を振り返り、「自分の興奮が覚めないうちに、ホームランが出たんです。まずい!なんて思ってたら、球場がウワーッとなって。自分は張り切り過ぎて(打球を追って)全力で右翼へ走ってました」と語っています。

佐々木さんは、この試合での経験を振り返り、「今までで一番ですね。あれが 29 年で一番の歓声でしたね」と語っています。

佐々木さんは、阪神の本拠地である甲子園球場も思い出深い場所だと語っています。甲子園は好きだったですね。有名な阪神ファンの女性がいて『あんた大谷大学やろ、お坊さんがそんなジャッジしとったら、あんたが成仏せんぞ』なんて言われたりして。いろんな情報を知ってるんですよ。ヤジもクスッと笑える感じで。関西は面白かったですね。

佐々木さんは、巨人、阪神ともに熱狂的なファンが多い球団だけに、判定をめぐるトラブルはいや応なしに注目を集めたと語っています。熱烈な虎ファンである関西のご意見番に名指しで批判されたり、4 コマ漫画の題材にされたりしたこともあったという。

佐々木さんは、ミスをすればさらされる。大観衆の中で常に冷静な判断を求められる審判業の厳しさは今も変わらないと語っています。

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