「ゴールで生きる」ジュビロ磐田、ペイショットが味方に伝えた「ありがとう」。エース確立が昇格の鍵に【コラム】
明治安田 J2 リーグ第 5 節、ジュビロ磐田対ヴァンフォーレ甲府は 2-1 で磐田が勝利。ペイショットが 2 ゴールを決め、エースとしての存在感を発揮。

「自分のストロングは…」。マテウス・ペイショットの 2 ゴール
ジュビロ磐田はエコパスタジアムでヴァンフォーレ甲府と対戦。雨の中で 2-1 と勝利し、リーグ戦 5 試合を終えて勝ち点を 9 とした。前節はアウェイで“昇格組”のカターレ富山に 3-1 と負けており、ジョン・ハッチンソン監督は「戦術以前にメンタル問題」と厳しく語っていた。それでもこの 1 週間で立て直して、磐田が目指すアタッキングフットボールを実現し、一度は PK で追い付かれながらも勝ち越しに持っていく勝負強さは、ここからの戦いにつながるものだ。その中でも特筆に値するのが、2 得点を決めたマテウス・ペイショットだ。前節の富山戦でもジョルディ・クルークスのクロスに合わせる形で、一時は同点に追い付くゴールを記録していたペイショットは、甲府戦でもクロスから得意のヘディングシュートで 2 ゴールを叩き込んだ。ペイショットは「自分のストロングはヘディングシュートなので、それを出せているのはすごく良いですし、日頃からトレーニングしているからだと思います。ここから続けて、またその形を作ってゴールを決めたい」と語る。43 分の先制ゴールは左ウイングの倍井謙を起点としたサイドの崩しから、ボックス脇に進出した上原力也のショートクロスにニアで合わせる形だった。このシーンについて、ペイショットはこう振り返っている。「(2 点目に比べて)1 点目のほうが、自分的には難しいゴールだったんですけど、ニアのところに入っていくのはジョンから要求されていることなので、そこは日頃から取り組んでます。良いポジショニングを取れて、良いところに入れたからこそ決められた」上原が縦にえぐる動きを見計らって、マーカーの小出悠太よりも前に出たペイショットはゴールよりやや外側の角度からヘッドで合わせて GK を破った。技術的にも非常に難しいシチュエーションだが、冷静にゴールをイメージできていた。その一方で、勝ち越し弾となった 2 点目はより大きな展開から、クルークスの右からのクロスに得意のハイボールを叩く形で決めたものだ。ここでも小出が厳しく付いていたが、競り合いを制しながら 190cm の高さを最大限に発揮して、豪快に決め切った。昨年の夏にセレッソ大阪から加入したクルークスは左足の高速キックを武器とするが、オプションとして縦に抜いての右足クロスも備える。そして、昨シーズンは右足でも速いクロスを狙うことが多かった。しかし、今シーズンはペイショットの特長を生かすべく、弧を描く浮き球のボールを蹴ることが増えている。このゴールシーンをアシストしたクロスが、まさしくそれだった。