離島からの挑戦 壱岐高校、甲子園で初勝利ならず
選抜高等学校野球大会で、壱岐高校が東洋大姫路高校に逆転負け。初出場の壱岐高校は、2 点を先制したものの、エース浦上が 3 巡目に攻略され、7-2 で敗れた。

離島からの挑戦 壱岐高校、甲子園で初勝利ならず
第 97 回選抜高等学校野球大会 3 日目、壱岐高校は東洋大姫路高校と対戦。1 回に甲子園初得点で 2 点を先制したが、5 回にエース浦上修吾(3 年)がつかまり失点、7-2 で敗れて、甲子園初勝利とはいかなかった。
九州の玄界灘に面する長崎県の離島から初出場となった壱岐、部員は全員、島で生まれ育った。人口 2 万 4000 人の島には高校が 2 校、練習試合にはフェリーを使って遠征している。
「高校野球の聖地」で初の試合、相手は 3 年ぶり 9 回目の出場となった古豪で地元の東洋大姫路、さらに先発の阪下漣(3 年)は最速 147 キロと大会屈指の好投手となった。
大観衆が見つめる中、1 回、壱岐の先発・浦上は 1 番・渡辺拓雲(3 年)をセンターフライに打ち取ると大歓声が上がった。その後、連打で 1 死一、二塁のピンチを招いたが、4 番・木村颯太(3 年)をサードフライ、5 番・白鳥翔哉真(3 年)には痛烈なピッチャーライナー、これを浦上は素早く反応し、グラブに当ててピッチャーゴロに抑え、無失点。
その裏、壱岐は先頭打者から 2 者連続四球で走者をためると、3 番・浦上脩吾(3 年)がしっかりと送りバントを決めるなど、2 死二、三塁のチャンスを作り、5 番・山口廉斗(3 年)がライト前へ、2 塁走者の岩本篤弥(3 年)もホームに還り、壱岐が阪下から 2 点を先制、山口はセカンドベースで大きなガッツポーズを見せた。
この試合は入場券が完売、全席指定席となった第 93 回大会(2021 年)以降では初めてとなった。先制してもらった浦上は 2 回、1 死三塁のピンチを背負ったが、東洋大姫路がスクイズを仕掛けたが、空振り。壱岐バッテリーは落ち着いた送球で 3 塁走者をアウトにした。
2 回、東洋大姫路はエース・阪下が降板、秋季大会で登板のなかった木下鷹大(3 年)がマウンドにあがった。壱岐は木下を捉えることができず 3 者凡退。
壱岐の浦上は序盤 3 回まで無失点、アウト 1 つ 1 つを取るたびにナインには笑顔、テンポの良いピッチングで試合のリズムを作っていった。壱岐は 2-0 とリードして迎えた中盤の 4 回、2 死三塁のピンチで 7 番・渡辺裕太(2 年)にライトへタイムリーツーベースを打たれたが、最少失点で留めた。
浦上は続く 5 回、先頭の 9 番・木下にレフト線へスリーベースを打たれると、東洋大姫路打線も 3 巡目で浦上をしっかりと攻略。1 番・渡辺拓雲にライト前へタイムリーを浴びて、2-2 の同点に追いつかれた。さらに 1 死二塁で 3 番・高畑知季(3 年)に左中間へタイムリースリーベースを打たれて 2-3 と逆転、4 番・木村、5 番・白鳥にもタイムリーを浴びるなど、この回 5 失点。
6-2 と 4 点を追う壱岐は 6 回、2 死二、三塁のチャンスを作り、先制タイムリーを放っている 5 番・山口、しかし、空振り三振。東洋大姫路の 2 人目、木下を捉えることができなかった。
最後まで「高校野球の聖地」で伸び伸びとプレーした壱岐ナイン、東洋大姫路に 7-2 で逆転負けを喫したが、大きな経験を経て夏の県予選に挑み、再び甲子園出場を狙う。勝った東洋大姫路は 17 年ぶりのセンバツ勝利となった。