Bリーグの守備職人・遠藤祐亮が語る若手選手への移籍アドバイスとその真意
Bリーグで3度の優勝を経験した遠藤祐亮が、若手選手からの移籍相談に対してどのようなアドバイスをしているのか、その真意に迫る。

移籍相談への意外なアドバイス
Bリーグで最多3度の優勝を経験し、そのファイナル全てでスタメン出場を果たした唯一の選手、宇都宮ブレックスの遠藤祐亮。近年、彼は若手選手から移籍の相談を受けることが増えている。しかし、そのアドバイスは意外なものだった。
プロとしての武器を磨くこと
遠藤は若手選手に対して、次のように語る。
「プロの世界で勝ち残っていくためには、最低でも何か一つ、光る武器を見つけるのが良いんじゃないかな。そういう武器を身につければ、自分を必要としてくれるチームは必ずあるはずだから。ただ『今、試合に出られないから』といって移籍しようとするのは少し違うと思うな」
遠藤自身の経験
遠藤が大学生のころ、Bリーグは存在しなかった。無名に近い存在だった彼は、当時の最高峰のリーグであるJBLのチームから声がかからなかった。そのため、彼はわらをもつかむ思いで様々な伝手をたどり、自分に興味を示してくれそうなチームを探して歩いた。その結果、当時は存在していたブレックスのセカンドチーム(D-RISE)にどうにか滑り込むことができた。
現代のBリーグと若手選手
現在のBリーグは、B1からB3まで、高いレベルからそうではないところまでかつてとは比べ物にならないほどの受け皿がある。指導者のレベルも上がり、情報も増えた。遠藤は同世代の選手とよく話し、現代の若手選手について次のように語る。
「今の若い選手って、上手にドリブルもつけるし、シュートも上手いし、ディフェンスもしっかりできるし、身体もしっかりできあがっている選手が多いよね」
しかし、遠藤はまずはプロの世界で通用する武器を1つは磨く必要があると考えている。彼自身の場合は、それがディフェンスだった。そのおかげでBリーグのベストディフェンダー賞を2回も受賞し、大きな武器を手にして初めて、他の能力もまた高く評価されるようになった。
ブレックスへの恩義
遠藤はブレックスに拾ってもらった存在であり、その恩義を忘れていない。彼が確固たる地位を築く前に移籍を選ばなかった理由の一つは、この恩義である。しかし、それだけではない。彼はブレックスで自分が成長し、レジェンドとなったことを自他ともに認めている。