横綱豊昇龍、名古屋場所へ向けた出稽古漬けの熱血指導
横綱豊昇龍が名古屋場所に向けて出稽古漬けの熱血指導を行い、先輩横綱の意地を見せる決意を明かしました。

大相撲の横綱・豊昇龍(26)=立浪=が、名古屋場所(13日初日・IGアリーナ)に向けて出稽古漬けで仕上げる考えを明らかにしました。2日、名古屋市南区の部屋で調整を行い、基礎運動で汗を流した後、弟弟子たちを熱く指導しました。
豊昇龍は、新横綱・大の里(二所ノ関)との争いが注目される今場所で、昇進から3場所目での横綱初Vを果たし、先輩横綱の意地を見せることを目指しています。
立浪部屋では、名古屋場所のために屋外に稽古場を構えています。師匠の立浪親方(元小結・旭豊)の発案で暑さ対策に新設された簡易的なミストシャワーを浴び、四股やてっぽうなど基礎運動で汗を流した後、土俵に上がって若い衆を呼び込み、一気に表情が引き締まりました。
ぶつかり稽古で何度も胸を出した後、相撲を取る若い衆に厳しくアドバイスを送りました。「もっと足を出せ」「おなかに力を入れて、下から上に持ち上げろ」「なんではたきにいくんだ。楽に勝とうとするな」と、連日の猛暑を吹き飛ばす約40分間の熱血指導を行いました。
豊昇龍は「ちょっと間違えていることがあるから、直してやりたいと思って」と語り、自身の調整のみならず弟弟子たちにも気を配る姿が、心身の充実ぶりを物語っていました。
名古屋入り後、最初の稽古だった1日は幕下力士4人に胸を出し相撲を取ったといいます。「状態を見たけど、いいんじゃないかな。体の張りも出てきた感じがする」と手応えを得ました。この日は基礎を確認し、着実にステップを踏み、今後は「関取衆が集まるところに行く。明日からずっと部屋にはいないと思う」と予告しました。場所直前まで、出稽古で追い込む考えを示しました。
新横綱の春場所は右肘痛などで途中休場となりましたが、夏場所は千秋楽で大の里の全勝を止めて12勝と横綱の責務を果たしました。「終わったことは、終わったこと。次の場所に集中するだけ。人ってね、終わったことを気にしていたら前に進まないから」と切り替えを強調しましたが、一人横綱を務めた2場所の経験は大きいです。2年前に初賜杯を抱いた名古屋場所。話題は、千秋楽での対戦が確定している新横綱の大の里に集まりますが、主役の座は譲りません。