元日本代表内田啓介氏、京都工学院高教師として始業式に出席
ラグビー元日本代表の内田啓介氏が、新年度から母校である京都工学院高の保健体育教諭として新たな人生をスタートさせました。

元日本代表内田啓介氏、京都工学院高教師として始業式に出席
ラグビー元日本代表の内田啓介氏が、新年度から母校である京都工学院高(前・伏見工)の保健体育教諭として新たな人生のスタートを切った。内田氏は 9 日、京都市伏見区の同校グラウンドで行われた始業式と着任式に出席し、約 700 人の全校生徒と初めて対面した。
内田氏は小 2 でラグビーを始め、伏見工を経て筑波大に進学し、3 年時に日本代表初キャップを獲得した。卒業後は埼玉の前身のパナソニックにプロ選手として入団し、11 年間プレーした。昨季限りで引退した後はアシスタント広報に転身してチーム運営に携わり、今年の 3 月 31 日付けで退団した。
内田氏は代表キャップ数 22 で、2015 年 W 杯ではバックアップメンバーに選ばれた。身体能力が高く、WTB もこなすほか、19 年にはニュージーランド州代表のタスマンに加入するなど海外でのプレー経験もある。
内田氏は京都・陶化中(現凌風小中)時代から教師を志しており、当時のラグビー部の稲田雅己監督の姿に「ラグビーや学校生活を通して人を育てる。こんなに人に影響を与えられる職業は素晴らしい」と感銘を受けたのがきっかけだった。
当初は大学卒業後はすぐに教師になるつもりだったが、周囲から「今しかできないことに目を向け、できるところまでやれ。やめることはいつでもできる。この道を極めろ」とアドバイスを受け、プロ選手としてのキャリアを積んだ。
今年度は保健体育の授業を週 17 時間受け持つほか、進路指導部で生徒の進路相談にも携わっていく予定で、「京都工学院は進学も就職も両方ある学校。自分がどうやってキャリアを作り、どう考えてきたかということは、生徒たち(の将来設計)につながるのではないか」と話した。
また、全国優勝 4 度を誇る名門ラグビー部のコーチにも就任し、すでに指導を始めている。
「ラグビーを楽しむことを伝えたい。楽しむためには本気でやるとか、基本を大事にするとかあるが、当たり前のことを当たり前にできる選手、日常生活のあらゆるものを大事にできる選手がトップで結果を残している」と強調。その上で、「合わせて日本一(の目標)をブラさず、新しい景色を見られるよう教えていきたい。そうなれば、高校生活が素晴らしい時間になる」と力を込めた。
内田氏はこの日の着任式で、新任教職員を代表してあいさつ。「一日も早くみなさんと仲良くなりたい。どんどん話しかけてください。僕も話すのが大好きです」と生徒たちに呼びかけ、目を輝かせた。