ラグビー界のレジェンド真下昇さんの訃報に思う

ラグビー界のレジェンド真下昇さんが逝去されました。本稿では、真下さんの功績と、筆者が思い出す真下さんのエピソードを紹介します。

真下昇さんの功績

真下さんは、群馬・高崎高から東京教育大に進学し、現役引退後はトップレフェリーとして活躍しました。2003 年に創設されたトップリーグの初代チェアマン、日本協会専務理事や副会長、ワールドラグビーの前身の国際ラグビーボード理事も務め、19 年 W 杯の日本招致にも招致委員長として多大な貢献をしました。

真下さんとの思い出

真下さんはジャージー、パンツ、ストッキングまで全部白というのが定番のスタイルでした。1987 年の「雪の早明戦」など、数々のビッグゲームで笛を吹いてきましたが、筆者の最も思い出に残っているのが 84 年 11 月 11 日の慶大-明大です。

この試合は、テレビ東京が生中継していたのですが、7-4 で明大がリードしてから、真下レフェリーの時計では後半のロスタイムが長く、終了までに中継が収まらなかった。そして中継終了時の番組スポンサーのテロップが流れるバックの映像で、何と慶大 NO・8 良塚正剛が明大トライエリアに飛び込むシーンが映し出されたのです。その瞬間、中継は終わった。

結果は 8-7(当時トライは 4 点)で慶大がノーサイド寸前の大逆転勝利。当時はもちろん、インターネットなどない時代。結果を知るよしもない視聴者から、「いったいどうなったんだ」と問い合わせが局に殺到したという。当時のディレクターとも親しくさせてもらっていたが、ロスタイムの分も含めて中継時間はしっかりとっていたつもりだったのに、想定を上回る長さに。それ以降、〝真下タイム〟という言葉が、どうやら界隈(かいわい)で伝説となってささやかれるようになったとか。

のちに、ぶしつけながら真下さんに、この試合のことを聞いてみた。真下さんはほほ笑みながら「しようがないだろう」と恬淡(てんたん)としていました。40 年以上も前のエピソードは、いまではもう笑い話でしかないでしょう。天国でこのコラムを読んだ真下さんは、「田中よ、そんなこと蒸し返すんじゃないよ」と苦笑いしているに違いないと思います。

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