万代ラグビー部の挑戦:新潟県高校総体に単独チームで初出場
結成3年目の万代ラグビー部が、新潟県高校総体に単独チームとして初出場。9人が他の部活と兼部しながら、初勝利を目指す。

万代ラグビー部の挑戦
2025年5月21日、新潟県高校総体が開幕する。各競技で夏の全国高校総体などの上位大会の出場権を争う中、ラグビー部門では結成3年目の万代ラグビー部が、単独チームとして初めて県総体に挑む。昨年までは合同チームとして参加していたが、今年は他の部活と「兼部」しているメンバーを含む15人が揃い、単独チームでの初勝利を目指す。
単独チームでの初出場
「同じ万代の生徒で出られるのはうれしい」と語るのは、FWの安達明日夢主将(3年)。万代ラグビー部は2023年に同好会として結成され、昨春に部に昇格。2023年の全国大会県予選からは新潟市合同チームに加わっていたが、今年4月の春季地区大会で単独チームとして公式戦デビューを果たした。初戦では新潟に5-10で敗れたが、県総体の初戦は新潟市合同チーム(新潟商業、巻、敬和学園、新潟西)が相手となり、初勝利を目指す。
兼部メンバーの活躍
現在、万代ラグビー部には21人の選手が在籍しており、そのうち9人が他の部活と兼部している。カヌー部7人、陸上部、バレーボール部が1人ずつがラグビー部員として登録されている。カヌー部で昨年の北信越総体2位のFW佐野巧真(3年)は「カヌーのプラスアルファと考えている。チームスポーツなのでいい刺激」と語る。安達主将は「勧誘した時、みんな快く受けてくれた。闘志があるので通じ合える」とチームのムードの良さを強調する。
高体連規則と遠藤監督の戦略
高体連規則では、2競技まで所属登録が可能。遠藤文康監督(52)は15人を揃えるために各部活の顧問の協力を得た。「転部するのではなく『チーム万代』としてできないかと考えた。どちらもやってほしい。他の部の生徒には今の部活をやめたらラグビー部には入れない、と話してある」と現所属の部活を主軸に両立することを重視した。
県総体後の展望
実際、数人は各部の県総体を優先してベンチから外れる予定。遠藤監督は「ラグビーの全国大会県予選は10月。県総体後に専念したいという生徒もいる。ぎりぎりまでラグビーにも出ようと考えていた子もいた。やりたいと思ってくれることがありがたい」と語る。
新潟県内のラグビー事情
少子化の影響もあり、県内のラグビー部員は減少傾向。今年の県総体の単独チームは6校で、9校が参加して3つの合同チームを構成する。そんな中、新興の万代の単独参加は異例だ。安達主将は「いずれは全国に出るようなチームに勝てるように」と部の歴史をつくる意欲をみせた。
万代ラグビー部の挑戦は、新潟県高校総体の注目の一つとなるだろう。