天空海、19 年ぶりの「関取弓取り」を狙う!
幕下天空海が弓取りの稽古を開始。再十両へあと一歩の状況が続くが、「関取に戻っても弓取りを続けたい」と意欲を示す。

幕下天空海(34 歳)が 10 日、都内の部屋で弓取りの稽古を開始した。今場所は西幕下 2 枚目で 3 勝 4 敗。再十両へあと一歩の状況が続くが、「関取に戻っても弓取りを続けたい」と、2006 年の皇牙以来、19 年ぶりの「関取弓取り」に意欲を示した。
今年初場所後に新横綱豊昇龍が誕生。通例では同部屋もしくは同じ一門の幕下以下の力士が弓取り力士を務める。休場等で横綱不在の際は、大関の部屋もしくは一門から弓取り力士を出す。初場所で照ノ富士が引退後は、琴翼(佐渡ケ嶽=24 年秋場所初日に本場所デビュー)が務めていた。
照ノ富士引退まで 47 歳で弓取りを務めた聡ノ富士(伊勢ケ浜)の映像を見ながら、弓を振り回した天空海。「手首と腕が痛い。聡ノ富士さんは速すぎる」と他の弓取り映像に変更し、一緒に弓取りを目指す同部屋の幕下上戸と汗を流した。
1 月 30 日に部屋で綱打ち、横綱土俵入りの練習が行われた。豊昇龍、土俵入りを指導した武蔵川親方(元横綱武蔵丸)の前で立浪親方(元小結旭豊)から「天空海、弓取りやりたいよな?」と声をかけられた。天空海は「はい、としか言えませんでした」と回想。元十両かつ十両復帰を見据える弓取り力士への挑戦が始まった瞬間だった。
日本相撲協会から借りた練習用の弓を手に、同部屋の幕下力士、上戸と指摘し合いながら 1 時間以上練習。今後は春巡業で弓取りを試し、5 月の夏場所で天空海か上戸、本場所の新しい弓取り力士が誕生する見込みだ。天空海は「間に合うなら春からやりたい」と春場所(3 月 9 日初日、エディオンアリーナ大阪)を見据えた。
昨年夏場所では元十両の幕下朝乃若(高砂)が弓取りを 2 日目から千秋楽まで務めた。1991 年名古屋場所の秀ノ花以来、33 年ぶりの珍しさだったが、これに続く可能性がある。
天空海は「関取に戻っても弓取りを続けたい。十両の取組で勝った後、負けた後で弓取りの雰囲気が変わるかもしれない。そういう注目のされ方もやりがいがある」とも力を込めた。朝青龍が横綱に君臨した 2004 年初場所から弓取りを務め、新十両の 06 年夏場所以降は“関取弓取り”として話題を集めた皇牙に続くつもりだ。
天空海は幕内 6 場所、十両 22 場所を務め、昨年春場所を最後に幕下に番付を下げた。以降 5 場所は幕下筆頭から 5 枚目の間で 3 勝と 4 勝を交互に繰り返す。「あと 1 番で十両に上がれるところで悔しい思いをした。早く戻れるように頑張りたい」と誓った。
初場所では東幕下 11 枚目で途中出場から 2 勝だった上戸も「弓取りと相撲は別。相撲もしっかり頑張りたい」と十両昇進へ意気込んだ。
天空海、上戸も春場所では豊昇龍の付け人を務める予定。相撲、弓取り、付け人として土俵を盛り上げたい。